カリキュラム
【教育研究方針】
情報工学科は,計算機科学,コンピュータシステム,ソフトウェア科学,数理科学などの基礎的分野と計算機を用いた幅広い応用分野とを調和させて,教育と研究にあたっています.本学科は,全国に数ある情報系の諸学科の中にあって,その規模においても,国内最大級の教員数と学生 数を誇っています.
今日の理工系学科では,ほとんどすべての学科がコンピュータ教育を行っています.情報工学科の教育目標は,コンピュータと数理科学を基礎にして,ハードウェア,ソフトウェア,応用数理の先端諸分野で活躍できる研究者,技術者,教育者を育てることにあります.情報工学科のコンピュータ教育は他の学科と同じようにコンピュータの入門から始まりますが,その後,コンピュータを使いこなせるレベルを越えた高度なプログラミングまで習得します.そのために,情報工学科教育用計算機室には各種サーバ機やPCなど約200台の最新のコンピュータ設備が用意され,充実した教育環境が確保されています.そして,学生自身の手で各種ハードウェアを設計できる実験装置も完備しており,コンピュータの幅広い基礎知識を習得できる施設が充実しています.また,ハードウェア実験では基本的な論理回路からコンピュータのアーキテクチャ(コンピュータシステムの設計思想)まで習得します.
【学習・教育目標】
情報工学科としては次のような学習・教育目標のもとに教育を行ないます.
(A) 情報技術活用能力の修得
コンピュータとそのネットワークを実践的に活用し,プログラミングや情報収集などを行う基本的な能力を身につける.
(B) 専門知識とその応用力の養成
コンピュータのハードウェアとソフトウェアの双方にバランスのとれた知識と経験を身につけ,それらを利用して的確な問題分析とシステム設計を行ない,これに関して明晰な技術的説明ができる能力を養う.
(C) 問題解決能力の養成
理工学のさまざまな分野の実際上の問題や未知の問題に対して,身につけた知識と能力を駆使して問題の分析・モデル化,解決方法の探究を行ない,実験等を計画的に実施して問題を解決する能力を養う.
(D) 継続学習能力の養成
科学者・技術者として求められる新しい知識や技術の取得を自主的,継続的に行う力を養う.
【カリキュラム概要】
情報工学科では,コンピュータに関するハードウェアおよびソフトウェアについて基礎から応用まで総合的に学ぶことができます.コンピュータに関する不可欠な知識加えて,数理科学に関する知識も深く学べることが特徴です.主なカリキュラムは以下の5種類に分類することができます.
- (1)プログラミング基礎:プログラミング言語,データ構造,アルゴリズム,ソフトウェア工学
- (2)コンピュータの基礎理論:離散数学,論理設計学,オートマトン,形式言語理論
- (3)計算機システム基礎:計算機アーキテクチャ,オペレーティングシステム,ネットワーク
- (4)数理科学:コンピュータ数値シミュレーションに必要な数理解析,数値解析,有限要素法
- (5)計算機応用:人工知能,ヒューマンインターフェース,データベース
1年次ではプログラミングの基礎について,また,2年次では計算機科学・数理科学の基礎について学びます.計算機を構成する回路の仕組み,機械語から高級プログラミング言語などの教育を受けます.アルゴリズム,データ構造,計算量,離散数学,数値計算などの入門のほか,専門教育になってその真価が問われる数学・物理・外国語などの実力を磨いておくのもこの時期です.3年次前期までのカリキュラムは,講義と実習を通じて,目的にあった使いやすい,性能コスト比の高いコンピュータシステムや基本ソフトウェアを設計できる知識と技術が習得できるようになっています.3年次後学期に行われる実験では,40程度の課題の中から,4つの課題を選び,十数人の少人数グループに分かれて,担当教員のもとでそれぞれ応用的な課題を履修します.4年次になると,各研究室に所属し,理想的な少人数体制で卒業研究を行います.3年次までの知識をもとにして,ひとつのテーマに対して深く堀り下げ,創造的な思考を育むための研究を行います.