Q&A 《よくある質問》
※「オープンキャンパスで受験生から出た質問」,および, 「電通大全体のQ&A(大学について,学生生活について,入試について)」もご覧ください.
電通大の情報工学科の特色は何ですか? 他大の情報工学科との違いは?
電通大の情報工学科は,計算機科学,コンピュータシステム,ソフトウェア科学,数理科学などの基礎的分野と計算機を用いた幅広い応用分野とを調和させて,教育と研究にあたっています.全国に数ある国立大学法人の情報系の学科としては,国内最大級の教員数と学生数を誇っており,情報工学に関する幅広い分野をカバーしていることが大きな特徴です.特に,数理科学分野や計算機の基礎理論に関する教育研究が充実していることは,他の情報系の学科にはない特徴になっています.
電通大内の情報工学科と情報通信工学科の違いは何でしょうか?
情報工学科では,コンピュータに関するハードウェアおよびソフトウェアについて基礎から応用まで総合的に学ぶことができます.コンピュータに関する不可欠な知識加えて,数理科学に関する知識も深く学べることが特徴です.主なカリキュラムは以下の5種類に分類することができます.
- (1)プログラミング基礎:プログラミング言語,データ構造,アルゴリズム,ソフトウェア工学
- (2)コンピュータの基礎理論:離散数学,論理設計学,オートマトン,形式言語理論
- (3)計算機システム基礎:計算機アーキテクチャ,オペレーティングシステム,ネットワーク
- (4)数理科学:コンピュータ数値シミュレーションに必要な数理解析,数値解析,有限要素法
- (5)計算機応用:人工知能,ヒューマンインターフェース,データベース
一方,情報通信工学科は,「通信」が付いていることから分かるように通信の基礎としての情報理論に加えて信号処理や電磁気など物理系の科目が充実しており,大雑把に言えば,同じ「情報」でも,数学系の「情報工学科」と物理系の「情報通信 工学科」と特徴付けることができると思います.上記の(1)に加えて(2)(3)(5)の一部については,情報通信工学科でも学ぶことができると思いますが,(4)に関しては情報工学科でなければ学ぶことはできないでしょう.
プログラミングもしくは数学が得意なら「情報工学科」,物理が得意なら「情報通信工学科」を検討するのがよいでしょう.実際には重複する内容も多く,情報工学の基礎に関してはどちらの学科でも学ぶことができるので,「情報」に興味があるのならどちらを志望しても後悔はないでしょう.
コンピュータについて何も知らないのですが大丈夫でしようか?
大丈夫です.全く間題ありません.まず1年生の時に,コンピュータリテラシーと基礎プログラミング及び演習で,コンピュータの使い方とプログラミングの初歩について基礎から教わります.その後コンピュータに関連するさまざまな分野の講義や,多くの演習や実験を受けます.
入学生の中には,パソコンを持っていて入学までに色々と知っている人ももちろんいます.でも,前述の講義や実験.演習をきちんと受ければ4年生になるころには入学時の知識の差よりも入学してからの各自の努力の差が現れます.
要は,やる気です!
実験設備には,どのようなものがありますか?
3年生までの演習や実験には,主に学科の教育用計算機室のコンピュータを利用します.
教育用計算機事には200台余りのLinuxが稼働するPCワークステーションが稼働しており,学年単位で行なわれる実験・演習では1人1台のコンピュータを使うことができます.さらに,授業の空き時間には,これらのコンピュータを自由に利用できます.また,各研究室毎に研究室の学生に対して1人1台以上のコンピュータを導入しており,卒業研究を行なう4年生や大学院の学生によって利用されています.これらのコンピュータは全てインターネットに接続されていますので,World Wide Webや電子メールなどを通して世界中の人連と情報交換を行なうことが可能です.
この他に,ハードウェアに関する実験設備も充実しており,主に3年生の各種実験・演習で用いられています.
情報工学を学ぶ際に,数学の力はどの程度必要でしょうか?
情報工学の課題を解決していくためには・コンピュータの力を良く知り,有効に使いこなしていく必要があります.そのためには,数理的な考え方を欠かすことができません.また,コンピュータを設計する場合にも,物事を論理的に組み立てていく能力が重要になります.そういう意味では,数学が得意であると大変有利です.しかし,そうでない人でもコンピュータの利用を通じて,自然に数理的な思考を身につけていくことができます.
また本学科では,興味のある人はコンピュータを利した数学,特に応用数理について深く学ぶことができます.
大学院修士課程へは行った方がいいでしょうか?
学部では3年生までに情報工学の基礎を学び,4年生では配属先の各研究室においてその研究室の専門分野について学び,卒業研究を行います.他の理工系分野と同じく情報工学においても専門分野は細分化されていますので,最先端の研究を行うためにはその細分化された分野に関して深い知識が要求されます.情報工学と一言で言っても,各教員の専門分野を見れば分かるように,コンピュータアーキテクチャ,システムソフトウェア,計算理論,アルゴリズム論,ネットワーク,人工知能,数値計算など様々な分野があります.一つの分野について深く学ぶには,多くの場合,卒業研究の1年間だけでは時間が十分でなく,4年生で行う卒業研究は指導教員の敷いたレールの上での「研究の仕方の学習」もしくは「研究の体験」で終わってしまうことがあります.そのため,本当に自分で専門分野について深く学び,未解決の問題に関して自ら「研究」を行うためには,大学院修士課程に進学し,さらに2年間勉強と研究を続けることが不可欠でしょう.
修士課程修了後に就職する場合,学部卒業の場合とほぼ同じプロセスで就職活動が行われます.就職先も学部卒業の場合と同じで,電気系やIT系,ネット系などの企業が主な就職先です.
博士課程について教えて下さい.
修士課程2年間である程度の研究成果が得られた人は,博士号取得を目指すという選択肢があります.博士の学位は,博士課程に在籍し,講義科目の履修と査読付き学術論文への掲載を条件として博士論文を提出し,審査に合格することによって取得できます.なお,課程に在籍しなくとも,一定の研究成果があれば,博士号を取得する制度もあります.(論文博士といいます。)
博士の学位は,研究開発に必要な素養をもつ,また,その訓練を受けたということを意味するものです.この社会では,どんなところで働くにしても,何が望まれているかを知り,それを実現するにはどうしたらいいかを調査し考え実行していくことができる能力はたいへん重要です.研究者として働く人はもちろんのこと,企業で働く人にとっても,博士の学位を持っていることは,その人個人,あるいは企業等の社会的信用性を高める効果があり,望ましいことと考えられます.
博士の学位を取るための方法として,通常の博士課程進学の他,仕事に就きながら社会人として博士課程に進学する方法もあります.社会人ですから,大学に来る時間は限定されますが,夕方以降や土曜日などに研究指導を受けることができます.論文以外に必要な2科目の講義科目は,集中講義や先行履修により単位を取得することができます.また短期修了の制度により,3年の修業年数を大幅に短縮できる可能性もあります.
なお,本学では正式には修士課程は博士前期課程,博士課程は博士後期課程と呼びますが,ここでは便宜的に修士課程,博士課程と記しました.